『5時から7時までのジュヒ』
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永遠と夢の境の瞬間に
『ひと夏のファンタジア』『ケナは韓国が嫌いで』の
チャン・ゴンジェ監督が贈る多情多感シネエッセイ
◆監督・脚本:チャン・ゴンジェ
(『ひと夏のファンタジア』『ケナは韓国が嫌いで』)
◆出演:キム・ジュリョン
(『トガニ 幼き瞳の告発』『イカゲーム』)、
ムン・ホジン
(『ビューティー・インサイド』『ドリームパレス』)
2022年・韓国・韓国語・76分・モノクロ(一部カラー)・ 原題:5시부터 7시까지의 주희 ・ 製作:MOCUSHURA ・ 日本語字幕:大森美紀・配給:chocolat studio
©2023 MOCUSHURA Inc. All rights reserved.
NEWS
2025年3月7日(金)より東京・ユーロスペースほか全国順次公開
SCREENING
東京・ユーロスペース

3/8(土)18:25の回『5時から7時までのジュヒ』上映後トークショー
ゲスト:チャン・ゴンジェ監督
大阪・シネヌーヴォ

3/9(日)19:10の回『5時から7時までのジュヒ』上映後トークショー
ゲスト:チャン・ゴンジェ監督

PROLOGUE
その人の人生というものは、心の奥底まで覗いてみなければ誰にもその裏にある深い事情までを知ることはできない。
ここに登場する、一見、平凡そうに見える40代中盤の人物たちもそうだ。
ジュヒは、思いがけず死というものに近くなり、
ホジンは、自分が一生を捧げてきた芸術が失敗したらどうしようと焦りを覚える。
自分の夢だった舞台俳優の道を諦め、
教師となって10年間働き詰めだったジュヒに残っているのは、
疲れ切った心と、病に冒された肉体だけだ。
そして、崩壊寸前の古い劇団をなんとか引っ張ってきた舞台演出家のホジンがいる。
前世紀の遺物のようなホジンのこだわりは、洗練された新時代のものとは程遠い。
彼は、妻のジュヒとの危機を自身の舞台に反映させる。
それはまるで、ホジンの言い訳のようでもある。
過信してきた肉体が病み、誠実に積み上げてきたと信じていた人生を否定しなければならない時、どこから再スタートを切れば正解だったのかわからず、五里霧中を彷徨う彼らと、このストーリーを分かち合いたい。
監督:チャン・ゴンジェ

INTRODUCTION
人生から逃げ出したかった5時から
愛を守りきりたかった7時まで
喜劇でも悲劇でも、生でも死でもない
境界にある時間の中で
本当の自分に出会った“ジュヒ”の物語
もしかすると
今の“あなた”の物語かもしれない
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『5時から7時までのジュヒ』は、『ひと夏のファンタジア』『月が沈む夜』などで注目されたチャン・ゴンジェ監督による5本目の長編映画で、2022年に釜山国際映画祭の“韓国映画の今日/パノラマ部門”でプレミア上映された後、国内外の映画祭で上映され、各国のシネフィルたちから絶賛された作品だ。
図らずも人生の最後のチャプターを迎えることになった40代演劇科教授のジュヒと、その夫である舞台演出家のホジンを主人公に、悲劇でも喜劇でもない人生の裏側を反芻していく濃厚な時間を通して、現実と舞台上で繰り広げられる演劇の内容が行き来しながら開かれた結末へとつながっていく味わい深いシネエッセイ。笑いと涙と愛憎に満ちた人生のクライマックスを過ぎ、折り返し地点で自分を振り返るひとりの女性と、彼女と繋がる様々な人物と過ごす時間が、縦糸と横糸が織りなすように調和し、心地よい緊張感と優しい癒しを与えてくれる。
演出・脚本を担当したチャン・ゴンジェは、シネフィルから絶対的支持を受けている作家主義監督のひとりだ。2010年に『十八才(Eighteen)』で注目され、デビュー作以降も『眠れぬ夜』『ひと夏のファンタジア』『月が沈む夜』など、現実と夢の境界線を崩し、煌びやかさはないが飾り気のない日常の風景と、平凡だが大切な時間を、時に魔法のような映画的瞬間としてスクリーンに映し出してきた。『5時から7時までのジュヒ』主演のキム・ジュリョンは、『眠れぬ夜』とドラマ『怪異』(特別出演)に続き、チャン・ゴンジェ監督とは3作目のタッグを組む。『眠れぬ夜』で30代のジュヒを演じたキム・ジュリョンと10年以上にわたって映画に携わる同僚として、また友人として交流を続けてきた監督は、キム・ジュリョンで始まりキム・ジュリョンで終わる、またもうひとつのジュヒの映画を共に作り上げた。アニエス・ヴァルダ監督の『5時から7時までのクレオ』(1962)にインスピレーションを得た一方で、俳優と演技の世界、スクリーンと舞台、さらに芸術家たちに向けた監督からの深い尊敬の念と愛情を込め、最もインディペンデント映画らしいといえる撮り方とスタイルで完成させた作品である。
当初、チャン・ゴンジェ監督は『イカゲーム』のハン・ミニョ役で世界的に名を知らしめ大人気となったグローバル・ライジングスターとしてのキム・ジュリョンではなく、人間キム・ジュリョンのいちばん自然な姿を描いたシナリオを書き、パイロット版として短編を先に撮影。その間に、別で企画が進行していた演劇俳優たちとのワークショップ・プロジェクトが重なり、現在の『5時から7時までのジュヒ』という形になったという。そのため、同じ時間帯を背景に、ジュヒが病院で悪性腫瘍の可能性有りという診断を受けてからの2時間を主軸に、一方でその日に初演を迎える劇団の2時間とが交差しながら映し出される構成となった。
作家主義監督のチャン・ゴンジェとキャリア23年目の演技派俳優キム・ジュリョンが綴る多情多感なシネエッセイ『5時から7時までのジュヒ』、いよいよ日本でも2025年春に公開!
STORY
病院で悪性腫瘍の疑いがあるという診断を受けた演劇科の大学教授ジュヒ(キム・ジュリョン)。大学に戻って仕事を整理し始めるが、そこに様々な人々が訪れ、自分の話をしては帰っていく。一方、その時間、舞台演出家である 夫のホジン(ムン・ホジン)は演劇の初日を控え俳優たちに演技指導をしている。ジュヒの時間とホジンの時間、映画のストーリーと演劇のストーリーが交差しながら、ジュヒが過ごす5時から7時までの2時間を描く。
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DIRECTOR
チャン・ゴンジェ
장건재
Jang Kun-jae
1977年生まれ。 韓国映画アカデミー撮影専攻卒業。長編デビュー作『十八才』(2009)でバンクーバー国際映画祭、ペサロ国際映画祭、ソウル独立映画祭などで受賞し、その後『眠れぬ夜』(2012)は全州国際映画祭大賞および観客賞、エジンバラ映画祭、ナント三大陸映画祭などで受賞。日本の奈良を舞台に撮影した日韓合作映画『ひと夏のファンタジア』(2014)は、釜山国際映画祭、ムジュ山里映画祭、韓国評論家協会賞、イタリア・アジアティカ映画祭などで受賞し、韓国独立映画協会の「今年の独立映画」に選ばれる。
また、ムジュ山里映画祭プロジェクトである『月が沈む夜』(2020)の共同監督、TVINGオリジナル6部作TVシリーズ「怪異」(2022)を監督、濱口竜介監督の著書「カメラの前で演じること」(2022)の韓国語版出版も手がける。
他の作品に、2023年釜山国際映画祭開幕作に選ばれた『ケナは韓国が嫌いで』(2023)、アマチュア俳優たちの演技ワークショップを扱った映画『最初の記憶』(2023)など。

CAST
キム・ジュリョン
김주령
Kim Joo-ryeong
1976年生まれ。2000年に『青春』でスクリーン・デビュー。以降、商業映画、独立映画、舞台、TVドラマなど様々な作品で印象的なキャラクターを演じて多彩なフィルモグラフィを築く。2011年のファン・ドンヒョク監督作『トガニ 幼き瞳の告発』で情け容赦ない生活指導教師ユン・ジャエを演じ、歴史に名を刻むヴィラン演技を披露、演技派俳優としての地位を確立した。2021年に出演したTVシリーズ『イカゲーム』では、勝つためには手段を選ばないハン・ミニョを演じ、世界的なグローバルスターとして一層注目を集める。また、チャン・ゴンジェ監督とは彼の長編2作目『眠れぬ夜』、TVシリーズ『怪異』に続くタッグとなる。
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COMMENT

「映画のストーリーと演劇の内容の、現実と夢の境を乱しながら
はじめてジュヒの内に秘めた物語を完成させる」
―第27回釜山国際映画祭 ホン・ウンミ(映画評論家)―
「『月が沈む夜』に続く
死者に対する共通の哀悼についての態度を読み解く映画」
―第48回ソウル独立映画祭 チョン・ジヘ(映画評論家)―
「ジュヒほど、仄かに長く余韻が残るキャラクターを見たことがない」
―WATCHA PEDIA オ**―
「苦痛の時間に替わって苦悩の時間を
受け継ぐ 記憶する人々の記憶たちで
綴られる告別の時間」
―Instagram jet_**―
「似たように進みながら変化する
その瞬間、チャン・ゴンジェ監督の力量がうかがわれる」
―kinolights ヤン**―
「どのように決別するのかという
最後の問いの前で優しく人生を
伝えてあげるジュヒの抱擁」
―Daum ヒョン*―
「ゆっくりと、でも確実に、時間の前でも人生と愛、情熱の境界線に
絶えずつまずき、飛び越えるのだ」
―WATCHA PEDIA コ**―
「現実と夢の境界が交錯しながら完成していくジュヒの人生」
―Instagram ha****―
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